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朝の歓び(上)(下) 宮本輝著



朝の歓び〈上〉 朝の歓び〈上〉
宮本 輝 (1994/04)
講談社

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 以前読んだのにタイトルを見ても思い出せなくて、図書館でまた借りてしまいました。

 作者宮本輝の特質は「どのようにも解決がつかず生の領域からはみ出てしまう悲しみが結晶するような男女関係を抽出して見せることができる作家」だと僕も思う。

 作者は別の本のあとがきで、「まるでファッションのように、世間に不倫があふれている。そんな軽い不倫をあざ笑い」、「不倫というのは命がけでやるものだ。トルストイ・ロレンス・近松みんな命がけだった。昨今の男女の下半身のだらしなさに少々腹を立ててみたかった。」そう述べている。


 互いに秘密を持った男女がイタリア旅行をし、男の同士の友情は片方の不倫の終結を見届けることとなり、主人公の奥さんが亡くなっている為に彼の行動は不倫ではなくなる。
 いいな、都合が良くて。

 自分たちは、恋人のままでいるにしても、あるいは結婚するにしても、何かが足りないということを、良介自身、よくわかっていたのだった。しかも、それは、お互いの努力の範疇を超えているのだ・・・。


「・・・すごく簡単なことに気づかせてもらった。明るく振舞うってことは、じつに大切なことだって。それは、不幸を幸福に変えるひとつの極意だって、俺は心底から思ったよ。


 「若きウェルテル」にある通り。そして我が嫁に感謝。

「日出子は、難しい人だな」
と本心から言った。
「私は簡単よ」
「もういいよ。禅問答みたいなやり方で、自分の心を表現する必要は、俺たちにはない。俺たちは、狡猾な商売人でもなければ、政治家でもないんだ」


 どうしてこの人は、大切な妻や子があるのに、私と秘密の関係を持ち、その秘密を守るための苦衷をあからさまに私に見せるのだろうと腹立たしくなり、自分を不幸な被害者みたいに思い始めたのだと、日出子は言った。

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